犬2頭と一緒に暮らす

我が家のミニチュアシュナウザーとゴールデンレトリバーの他愛もない雑記ブログ

ECHIRE

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母ちゃんが仕事帰りに丸の内ブリックスクエアにあるエシレ・メゾン デュ ブールでクロワッサンとお菓子を買ってきてくれた!

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全てを出してみました。

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まずはサブレ・エシレから頂いてみました。

このサブレ1缶3.240円します。

缶を開けた瞬間にバターの香りが漂ってきました。

サブレと言ったら豊島屋さんの鳩サブレを思い出しますが、豊島屋さんのサブレに比べてしっかりとした、少し固めのサブレでした。

個人的感想ですが、総合的に豊島屋さんのサブレの方が私的には好きです(;^_^A

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続いてマドレーヌとフィナンシェを頂いてみた。

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マドレーヌ・エシレは・・・普通のマドレーヌでした。エシレさんごめんなさい!

このマドレーヌ・エシレの1個のお値段324円

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フィナンシェ・エシレは、私が食べてきたフィナンシェとは少し違っていて、今まで食べてきたフィナンシェの中では一番美味しいフィナンシェでした。

フィナンシェ・エシレの1個のお値段324円

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その次にクロワッサンを食べてみました。

有塩と無塩を半分ずつ分けて食べ比べしました。

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噛む毎にバターがジワ~と染み出てきて、如何にも高級な感じのクロワッサンでした。

ちなみにクロワッサン1個486円

これも個人的な感想だが、高級クロワッサンだと麻布にあるメゾン・ランドゥメンヌ トーキョーさんのクロワッサンの方が個人的には好き。

よし!美味しいクロワッサンと美味しい食パンを販売しているお店を今度紹介しよう。

そのお店は私が食べてきたお店の中でベスト5に入るお店です。

美味しいのにメジャーなお店でないんですよ。今度買いに行って紹介しますね。

貧乏生活物語 ~素直になれなかった~

中学1年生の時の苦い思い出

友達がフケで悩んでいた。

フケが肩に落ちていて皆から汚いと揶揄されていた。

その馬鹿にする態度が納得できずに馬鹿にする奴に注意していた。

ある日、女子の一人がまた指さしていた。

私は、またフケの事で馬鹿にしているんだなと思いこみ「いい加減にしろよ!〇〇は病気なんだよ、風呂入って無い訳じゃねーんだよ!」と、女子に向って怒鳴ってしまった。

その女子は友達の背中に「汚い!髪洗えよ!」と馬鹿にした事を書いてあった張り紙を本人に教えようとしていたらしい。

完全なる私の早とちり。

恥ずかしくなり間違えた事を素直に謝れず、そのまま逃げる様にその場を立ち去りました。

学校にいる間に謝ろうと思っていても、中々素直になれない。

時間だけが経過する。

そして授業も終わり下校。

下校途中、謝ろうと追いかけるが彼女は居ない。

モヤモヤした気持ちのまま帰宅する。

家に帰っても落ち着かない。

どうしても謝りたい気持ちが沸き立つ。

みんなの前で怒鳴った事で傷ついているだろう。

どうしても謝らなくてはいけないと思い、彼女の家へ向かう事にした。

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この写真に写っているマンションに住んでいる事は知っていた。

でも玄関のインターホンを押す勇気がないヘタレ野郎だった。

頭の中でインターホンを押せない言い訳ばかりを考える。

言い訳ばかり。

典型的なクソ野郎の思考回路。

そんなクソ野郎の考える事は、やはりクソだった。

外で偶然出会う作戦を思いつく。

このマンションの前で彼女が出てくるのをひたすら待つ作戦。

彼女が出てきて偶然を装う。

そして今日の事を謝罪する。

会ったらこう言おうと決めていた。

「おお!」と手を上げて挨拶をする。

「偶然だね」「どこかに買い物に行くの?」と他愛もない話をする。

「今日の事だけど」と本題に切り込む。

「怒鳴ったのは俺の勘違いだった」と素直に謝る。

「ごめんね」と頭を下げる。

この一連の言葉を頭の中で何度も繰り返し練習をする。

しかし待てど暮らせど彼女は出てこない。

もう周りは暗い。

やはり会えない。

帰ろう。

よし!明日学校で謝ろうと帰宅。

モヤモヤした気持ちのまま一夜を過ごす。

次の日、教室に入ると彼女がいる。

しかし友達達と話していて彼女に話しかけられない。

休み時間、給食の時間、掃除の時間、下校の時間。

謝るタイミングが見つけられない。

そして1日が終わる。

今日も謝れなかった。

もう完全に謝るタイミングを逸してしまった。

その彼女は1年の途中で転校してしまった。

実は彼女の事が好きだった。

なので余計に謝れなかった事を未だに後悔している。

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貧乏生活物語 ~人生の岐路~

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こんな馬鹿でどうしようもない私も中学生になり全ての悪事から足を洗った。

私の通った中学校は近隣の小学校3校から集まるので知らない奴も多い。

B君は他校でも有名で悪そうな連中が彼のもとへ集まってくる。

私はB君と距離を取り離れたところから彼を見ていた。

中学生になって悪事から足を洗い、普通の学校生活を過ごす事が出来て嬉しかった。

部活もバスケ部に入り同級生と一緒に汗を流していた。

家に帰ると辛い現実が待ち構えているが、学校に居る時は忘れられるので楽しかった。

B君は3年生の危険な先輩たちがいる将棋部に入部していた。

不良のたまり場の様なクラブ、だれも将棋なんてしない。

夏休みに入り暫くすると、以前の様にB君が遊ぼうと家まで誘いにきた。

少し嫌な感じはしたが、また誘いに来てくれた事が少し嬉しかったので、不安はあったが一緒について行った。

そして向かった先は3年の先輩の家だった。

数名の先輩たちが居て、私はパシリ要員として呼ばれたらしい。

ジュース買ってこいとか、お菓子買ってこいと。

その為にB君は私を迎えに来たのかと、裏切られた気持ちになり悲しくなった。

それから先輩達との付き合いは半年近く続いた。

2年生になり先輩たちは卒業していなくなった。

これで縁が切れると思い喜んだのも束の間、家に居る時、遠くの方から爆音を響かせながら、こちらに向かってくるバイクの音がした。

そしてバイクはうちのアパートの前で止まった。

窓から外を覗くと1台のバイクが止まっていた。

バイクの横には、知らない先輩とB君が一緒にいた。

B君が早く降りてくるように手招きをする。

降りていき話を聞くと、これからバイクで流しに行くから迎えに来たと説明。

早く乗れ!と知らない先輩苛立った口調で命令してきた。

B君が身振りで早く乗れと言っている。

仕方がなく言われるがままバイクに跨る。

流すだけと言っていたが、向った先は、その知らない先輩の家、それもお寺だった。

部屋に入ると中学1年の時の先輩達がいた。

またこの人達と付き合う事になるのかと愕然とした。

それから毎日の様に先輩がバイクで爆音を響かせながら迎えに来る様になった。

ある日先輩がいつのも様に私を迎えに来て、いつもの様に先輩の家に向った。

いつもと同じだと思ったが、この日はいつもとは全然違っていた。

先輩と一緒に部屋に入るとツーンとシンナーの臭いが部屋中に充満していた。

部屋の中には2人の先輩とB君がシンナーを吸ってラリってた。

B君は私にもシンナーを勧める。

シンナーを吸っている先輩達やB君の表情が逝ってしまっている。

完全にラリッてる表情だ。

私の問いかけにも上の空状態。

なにか言っている様だが、ろれつが回っていないので何言っているか分からなかった。

次第にヨダレを垂らし始める。

初めてこんな状態の人を見た。

とても恐ろしい。

シンナーを吸うと人間ここまで壊れてしまうのか。

絶対にシンナーなんかやっては駄目なんだと思った。

やってしまったら人間お終いだ。

B君とは小学5年生からの付き合いで、楽しい思い出も沢山あるが、これ以上B君と先輩達と付き合っていては、自分が駄目になると確信する。

今まで勇気がなく、いつも流されていたが、ここで勇気を出し決断をしないと本当に人生終わってしまう。

今、中学2年生で、来年3年生になり高校受験が待ち構えている。

この人達と縁を切らなければ自分の人生が台無しになる。

覚悟を決めた。

翌日学校でB君に先輩たちとの付き合いをやめると言った。

迎えに来ても出て行かないと宣言をした。

B君からは、先輩たち怒らせると大変な事になるから考え直せと言われた。

それでも自分の将来の為に決意したんだ。

縁を切る!

その夜もいつもの様に先輩はバイクで迎えに来た。

私が出てこないので、空ぶかしをして早く降りて来いと言わんばかりの爆音をさせる。

それでも私は出て行かない。

暫くすると先輩は帰って行った。

翌日も先輩はバイクで迎えに来る。

それでも私は出て行かない。

翌々日も先輩は迎えにきたが、別の先輩も引き連れてきた。

もう一人の先輩が近所迷惑など考えずに大声で「出て来いよー!」と怒鳴り口調で言ってきた。

それでも私は出て行かない。

縁を切るんだ。

無視し続けて1週間が過ぎた頃B君が、先輩凄く怒っていると教えてくれた。

このままだと大変な事になるから、一回先輩と話した方がいいと言ってきた。

私自身もそう思っていたので、B君に今日先輩の家に行くと伝えておいてくれと伝言を頼む。

その日の夜、自転車で先輩の家に行った。

当然無事で済む訳がない事は承知をしていた。

ただ、ここでキチンと縁を切らないと駄目だと思っているから覚悟を決めて先輩の家へ向かった。

先輩の家に到着して部屋に入ると、いつも居る先輩3人とB君が部屋の中で待っていた。

入るなり正座させられ、なぜ迎えに行っても出なかったのか?連絡してこなかったのか?と矢継ぎ早に質問をしてきた。

勇気を出して先輩達に自分の考えを伝えた。

話をしている最中に、先輩の一人が誰かに電話している声が聞こえた。

話の内容は覚えていないが、暫くすると続々会った事も無い連中が集まってきた。

そして外に出ろと命令される。

私の周りを3人の先輩達と知らない年上っぽい4人で取り囲み、洋服を全部脱がされた。

全裸の状態で殴られ、蹴られ、罵声を浴びせられれ、途中の記憶がない。

私がボコボコにされている最中、B君は部屋の中から出てこない。

夜の8時過ぎから明け方の3時ごろまで肉体的にも精神的にもボロボロにされた。

ボコボコにされている時、生れてはじめて、もう死んでもいいやって気持ちになった。

死んだ方が楽だなと・・・。

明け方の3時過ぎやっと解放されて、なんとか家に帰る。

それから1週間足腰立てない状態で、顔が腫れあがっていたので学校を休んだ。

学校を休んでいるからだろうか、心配したのか分からないがB君が自宅を訪ねてきた。

しかし私は出る事をしなかった。

学校に行ける様になってもB君とは話もしなかった。

全ての縁を切ると自分の為に誓ったから。

B君は中学卒業後、先輩が働いていた建設関係の仕事に就いた。

私をボコボコにした中心的存在の極悪の先輩は、今、家業のお寺の住職をしている。

その先輩は檀家の人にどの様な説教をしているのか聞いてみたくなる。

当時の事は、若気の至りとでも思っているのであろうか。

会いたくはないが、会ったら聞いてみたい。

 

貧乏生活物語スピンオフを最後まで読んで頂き有難う御座いました。

この先輩達と縁を切る事で、真っ当な人生を送る事が出来たと思っています。

誰しもが強い訳ではないが、自分は弱いからと逃げてばかりではいけない。

どこかで勇気を出す必要性が生まれた時、一旦立ち止まり、よく考え、その時なのか判断して行動に移す。

後々、後悔しないために、勇気を出す事も必要です。

必ず自分で判断し行動しているから、その結果、楽しい人生になるのも、暗い人生なるのもあなた次第。

つまり今置かれている現状は、良くも悪くも自己責任なんです。

どうせだったら正しい判断をして、勇気を出し行動して楽しい人生を送りましょうよ。

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貧乏生活物語 ~いつかはこうなると分かっていた~

いつもの様に簡単に盗んで、いつもの様に終わるはずだったが、この日は違った。

お店に入り目当てのTシャツを洋服の中に忍ばせてトイレに行き、盗んできたTシャツを袋から出し着こむ。

盗んだTシャツを着て次々と仲間がトイレから出ていく。

私も盗んだTシャツを着てトイレから出ようとした時、仲間の一人が〇〇がまだ来ない。

そう言い残しトイレから出て行った。

〇〇が心配になり、少しトイレで待つ事にした。

〇〇は2つ下の下級生で、仲間の弟。

今回が初めての万引きデビュー。

その兄貴の方は既に出て行ってしまっている。

暫くすると〇〇がトイレに入ってきた。

どうした?と聞くと「店員さんに紙袋貰ってた」と何食わぬ顔で答えた。

何も買わないのに紙袋貰ったの?と聞き直した。

そうすると「うん」と一言。

その紙袋の中に盗んだTシャツが入っていた。

直ぐにやばいと感じた。

そうこうしている内に、男子トレイに入ってこようとしている人影が窓に写った。

慌てて個室に入る私達。

隣の個室では〇〇がTシャツを袋から抜き取るガシャガシャという音がした。

扉の向こうには人がいるのに、そんな音させやがってと〇〇に対して苛立っていた。

扉の向こう側で人が行ったり来たりしている。

やばい予感がした。

隣で着替え終わった〇〇が私に「着たよ!」と、外に居た人にも聞こえる様な大きな声で言ってきた。

そして扉の向こう側に居た人が男子トイレから出て行った。

この時点で確信した。

外に居た人は店員だと。

何も買わないのに紙袋をもらうバカはいない。

完全に怪しまれたのだろう。

直ぐにトイレを出て逃げないと。

〇〇に出たらダッシュで逃げるぞと伝えた。

しかし時すでに遅し。

トイレから出るとスポーツ用品店の店員2人が立っていた。

「お店から商品盗んだでしょう?」「一緒に来てくれない?」と言われ守衛所まで連れていかれた。

店員さんから盗んだ物と人数を聞かれたが、私と○○だけですと答えたが、○○は他にも居たと答えてしまった。

こいつ仲間を売りやがったと心の中で呟いた。

全てが終わったら〇〇をぶん殴ると決めた。


その後、交番に連れて行かれ逃げ果せた仲間も親と一緒に交番に到着した。

各々調書を取り、警察官に頭を下げ交番を出た。

B君は、お父さんが迎えにきていた。

銭湯で見た事のある人だった。

細身で背が高く、声が低く、顏が物凄く怖い。

体に彫り物をして近寄りがたい人だった。

その人がB君のお父さんだったとは驚きだった。

交番から出た瞬間、B君がお父さんから殴られ飛ばされた!

一同驚愕。

B君のお父さんは、私達の方にも近づいてきて鉄槌を下す。

物凄く痛かった。

その後、スポーツ用品店に戻り謝罪と盗んだTシャツを弁償して家に戻った。

翌日、全員校長先生に呼び出され、こっぴどく怒られた。

隣で担任の先生が泣いていた。

担任の先生が泣いているのを見て、もう盗みはやめようと思った。

 

しかし時間が経つと、仲間が集まると、以前の様に万引きをする様になった。

ある時、B君と〇〇の三人で赤羽まで遊びに行った。

なんの目的で赤羽まで行ったのか覚えていないが、所持金が無かったのは覚えている。

赤羽から自宅までの距離10㎞弱ある。

大人だと10㎞だと歩いて帰れる距離だと思うが、小学生だったからか徒歩で帰る事は不可能と思っていた。

そこで自転車を盗んで乗って帰ろうと、駅前の駐輪場に置いてある自転車を物色。

当然鍵は掛かっているが、ダイヤル式の鍵を掛けている自転車を見つけて盗む。

このダイヤル式ってやつは、30秒も掛からず簡単に解除出来てしまう。

私とB君はママチャリを盗んだが、〇〇はわがままを言い出した。

ママチャリじゃなく、ロードタイプのかっこいいやつがいいと言い出した。

なんでもいいじゃないかと説得したが聞き入れず、ロードタイプを探す。

私とB君は渋々彼に付き合った。

人通りの多い商店街にお目当てのロードタイプの自転車があった。

○○にはダイヤル式の解除が出来なかったので、B君か私が解除する事になっていた。

人通りが多いし見つかるから諦めろと言ったが、聞き入れずこれがいいと駄々をこねる。

B君が「ペンギン侍、やってきてやれよ」と言ってきたので諦めて解除しに行った。

解除出来てロードタイプの自転車に乗る事が出来てご満悦の○○。

埼玉と東京との間には荒川が流れていて、橋を渡らなければならなかった。

東京側の橋の袂に交番がある。

その交番の横を通ろとした時、中から警察官が慌てて出てきた。

「ちょっと君達!!」

まさか呼び止められるとは思ってもいなかった。

どうやらロードタイプの自転車を盗んでいる時に見られて通報されていた様だ。

はい、また御用。

また〇〇がロードタイプじゃなきゃ嫌だと言ったせいで捕まった。

今度は〇〇を殺そうと心に誓った。

私の親とB君の親は迎えに来なかった。

少しホッとした。

間違いなく今度はB君のお父さんから殺されると思ったからだ。

代表で〇〇の親が車で迎えに来た。

そしてまた校長先生に呼び出され、前回以上の説教を受けた。

担任の先生は、横で頭を抱えていた。

また先生を悲しませてしまったと反省した。

来年は中学生にもなるし、もう悪い事から足を洗おうと本当に思った。

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貧乏生活物語 ~踏み入れてしまった~

いつもの様に、みんなで集まり今日は何して遊ぶとか喋っていた。

仲間の一人が、もみじ公園の前に古ぼけた誰も住んでいないマンションがあるんだけど、探検にでも行ってみないと?

やる事も無かったので、みんなで行ってみた。

言ってた通り廃墟だ。

恐る恐る中に入る。

1階の部屋を見て周ったが、、壁が崩れていたり、廃材が放り込んであったりして汚かった。

続いて2階へ上がると、比較的キレイな部屋がある。

少し掃除でもすれば住めるのではないかと誰しもが思った。

B君が「ここ俺たちの基地にしようぜ!」とワクワクするような言葉を投げ掛けてきた。

低学年の時にダンボールを集めて部屋を作り、その中で友達同士で基地と称し遊んだ記憶がある。

みんな声を揃えて「いいねー!」と全員笑顔で賛同した。

B君が「俺達の基地なんだから、住めるようにしようぜ」とまたワクワクさせるような言葉を放り込んできた。

誰かが「住めるようにって、どうするの?」と質問した。

B君が「床にジュータン敷いて、テーブルとか座布団とか置いてさ、本当の部屋の様にするんだよ」と返答した。

ジュータン?ってどこに捨ててあるの?と誰かが疑問を投げ掛けた。

B君は「捨ててある物じゃなくて、新品を盗みにいくんだよ」とサラッと返した。

みんなの中に「盗む」という言葉がフワフワと漂っていたに違いない。

B君が「近くのデパートの裏側の倉庫に置いてあると思うから、そこに忍び込んで盗みに行く」

みんなしてB君に反論し始めた。

「捕まったらどうするの?」「持ってこれるの?」「絶対無理だよ」と色々と反論したが、B君からは大丈夫だからと一言。

B君が「俺とペンギン侍で取りに行ってくるから、みんなはココで待ってて」と強引に私の腕を取り部屋を出た。

考える暇もなく、強引に連れ出され歩き出した。

歩きながらB君に、どうやってやるの?絶対無理だからやめようよ!と言ったものの聞き入れてくれない。

そうこうしている内にお店の裏側にある搬入口に到着した。

辺りをキョロキョロと見渡すB君。

「よし入るぞ」とのB君からの掛け声で一緒に中に忍び込む。

私の心臓は破裂しそうなぐらいドキドキしていた。

奥に進むと倉庫の中にジュータンが立てかけてあった。

私は早くジュータンを取って逃げたかったが、B君はジュータンの前で悩んでいる。

もうどうしたの?早くしないと店員さんが来ちゃうよ!と震えながらB君に言った。

B君から返答は「あの部屋に合う柄はどっちか悩んでいる」と冷静に答えた。

お店の人に見つかる危険性があるのに、ありえない返答に怒りが込み上げてきた。

究極に緊張して今にも吐きそうな状況なのに、冷静にジュータンの柄を選んでやがるB君にキレた。

もういい!帰る!とB君に小さな声で怒鳴った。

B君は慌てた様子で「分かった、こっちの柄のジュータンを盗もう」と指さした。

急いでジュータンを担ぎ、お店の搬入口から逃げた。

6畳用のジュータンは長くて重い。

しかし2人で担ぎ、なんとか基地まで辿り着いた。

部屋に到着して仲間達は、本当に盗んできたのかとう表情で、私達を出迎えた。

B君が「なっ!言った通り大丈夫だっただろう?」とドヤ顔でみんなに伝えた。

それからテーブルや座布団、コップといった日用品までも盗んできた。

部屋が2階なので、もしか警察に踏み込まれても逃げられる様に。縄ばしごまで常備していた。

基地での日常は、お腹が空いたら、喉が渇いたら、スーパーに買い物へ行くかの如く万引きをしに行く。

この様な状況が3ヶ月ぐらい続いただろうか。

いつもの様に基地へ向かうとパトカーが停まっていた。

目の前のもみじ公園には、先に到着していた仲間が数人いた。

どうやら通報されたようだと誰かが言ってた。

この日で、この基地の使用は出来なくなった。

 

基地が無くなってから、私達はやる事がなくなり毎日暇だった。

ある日、仲間の一人が大手スポーツメーカーのTシャツが欲しいと言ってきた。

じゃみんなで取りに行こうかと、作戦会議をして大きなデパートへ向かった。

いつもの様に店内に入り、いつもと同じ様に盗んで帰ってくるだけ。

誰にも見つからないし、誰も捕まらないと、この時は思っていた。

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貧乏生活物語 ~驚愕の小学生~

B君達と遊ぶようになって、毎日楽しくなってきた。

最初の頃はサッカーや野球など、小学生が遊ぶような事をしていた。

当時インベーダーゲームが流行して、我が街にもゲームセンターができた。

仲間内の1人が親の財布から1万円を盗んできた。

その友達が「このお金でゲームセンターで遊ぼうぜ」と、みんなに声を掛けてきた。

当然だが私もみんなも大喜びをした。

興奮しながら駆け足でゲームセンターまで向かった。

その日は、思う存分ゲームをしまくった。

1度味わった快楽を忘れられないものだ。

次の日からゲームしたいが為に、自動販売機の下や、釣銭口にお金を取り忘れていないか、街中の自動販売機巡りをした。

時には電車に乗って都内まで行き、自動販売機を探して釣銭口や下にお金が落ちていないか探し回った。

しかし、なかなか落ちていない。

そんな中、B君が突拍子もない事を言い出した。

「カツアゲしようぜ!そうすれば手っ取り早くお金が手に入るよ」と妄言を吐いた。

友達の1人が「誰からカツアゲするの?」「簡単かな?」と前向きな質問を言いやがった。

私は意気地なしなので心の中でネガティブな言葉しか出てこない。

無視、出来ない、殴られて死ぬ、捕まる。

B君が「高校生ぐらいなら金もってるだろう」とターゲットを絞っていた。

周りがざわめく。

意を決しB君に意見具申をする私。

もう完全に同級生扱いしていない私が居た。

あの~高校生相手にカツアゲなんて無理だよ。

大人と子供の体格差があるし、力も向こうの方が上だよ。

殴られて終了で最悪、警察に捕まっちゃうよ。

と止めさせようと意見を述べたがB君は、「大丈夫だよ!ひ弱そうな奴を捕まえてカツアゲするから」

他の友達もB君の提案に前向きになっていった。

もう止められない。

不安げな顏をした私にB君が「心配するなよカツアゲって言ったって借りるだけだから」と笑顔で私にそう答えたB君。

自分を安心させる為に「借りるだけ・借りるだけ・後で返すんだ」と暗示を自分に掛けた。

駅に向かう高校生二人組が前から歩いてきた。

B君が「よし、やるぞ!」とみんなに号令をかけた。

「ペンギン侍、あいつら呼んできて。俺たち路地の裏で待機しているから、そこまで連れてきて」と、言い残し少し離れた路地裏へと消えていった。

私の頭は、真っ白。

緊張と不安でガクガク震えだす。

それでも高校生たちは私の方に近寄ってくる。

私は必死に出来ない言い訳を考えるが思いつかない。

みんなが隠れている路地からB君がこちらを覗き込んでいる。

もう逃げられない。

声を掛けなかったらB君や仲間から怒られる。

仲間外れにされるかもと思い勇気を出し高校生に声を掛けた。

あの、向こうで呼んでいる人がいるんですけど来てもらえますか?

不思議そうな顔で高校生達は仲間がいる裏路地までついてきた。

路地裏にはB君をはじめ、仲間が数人待ち構えている。

B君が高校生に凄みを利かせて「ね~お金貸してくれない?」と言い放つ。

当然だが高校生達は「お金なんて持ってないです」とひ弱な声で返事をしてきた。

すかさずB君は「持ってねー訳ねーだろう。財布見せろよ!出せよ!」

もう完全にチンピラの様になっていた。

渋々高校生達は財布の中からお札数枚をB君に差し出した。

まぢで?と驚く私と仲間達。

別れ際B君が高校生に「これ貸しね」と笑顔で言っていた。

相手の高校生も差し出したお金が戻って来るとは思ってないだろう。

高校生が去った後、みんなで顔を見合わせてニヤける。

小学生が高校生相手にカツアゲできるなんて信じられなかった。

それから何度も、高校生相手にカツアゲをした。

中には立ち向かってくる高校も当然居たが、その時は全速力で逃げる。

これを機に、どんどん悪への道に進んでいった。

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当時、南浦和には1店舗のゲームセンターしか無かった。f:id:ysnyn658:20210106140625j:plain

プレハブで建てた簡素なゲームセンター。

そのゲームセンターがあった場所は、今モスバーガーが入っているビルだ。

右側に焼き鳥屋さんで左側にゲームセンターがあった。

当時1プレイ100円と今と変わらない値段。

当時と物価が違うから当時の100円がいかに高かったか。

高校生相手にカツアゲしてお金を巻き上げる。

そのお金を手にしてゲームセンターに行く。

しかし毎日ゲームが出来る訳ではない。

毎日ゲームがしたい。

どうすればゲームが出来るのか考えた。

そうだ!ここで働ければゲームし放題!!

そう短絡的に考えた私は、お店のオーナーにお願いをしてみた。

「ここで働かせて下さい!両替や台の掃除をするよ」

「だから社長はパチンコにでも行ってよ」と、小学生であった私は、ゲームセンターのオーナーに話を持ち掛けた。

最初は断られたが、何度もしつこく言い続けた。

根負けしたオーナーは、私が働く事を認めてくれた。

働く対価としてお金をもらうのではなく、働いた分だけゲームをさせてもらう事にした。

B君たちと遊ばない時は、ゲームセンターで働いていた。

今はお札を両替機で小銭に替えるが、当時は手渡しで両替えをしていた。

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今はコンビニになっているが、当時はパチンコ屋さんが2店舗並んで営業していた。

当時、南浦和東口には3店舗のパチンコ屋さんがあった。

その中の1店舗で働く事になる母。

母が仕事をしていた時、給料日後パチンコに行っていた。

お金が無いからギャンブルで儲けようという底辺の発想。

たまに儲ける時もあるが負ける時の方が遥かに多い。

たまに勝った時は、駅前のパチンコ店2Fのキャンディという喫茶店でオレンジジュースを飲ませてくれた。

そのオレンジジュースがめっちゃくちゃ美味しくて、私にとっては贅沢な飲み物だった。

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貧乏生活物語 ~因果応報~

私が通っていた小学校は生徒数が少なく、1年生から4年生までは4クラスあったが、5年生になって1クラス40人ぐらいで2クラスにまで減っていた。

小学5年生頃やんちゃな男の子A君がいて、なにかにつけて男子生徒に命令してくる。

そのA君の命令に従わなければ虐めの対象にされてしまうので皆渋々従っていた。

ある時、クラスの女生徒が掃除をさぼっているA君に注意したら、A君が怒り出し、その女生徒に対して「こいつの事を無視しろよ」と命令してきた。

殆どの男子が渋々だが命令に従った。

当然その中に私も居る。

事ある毎にこの女生徒に対して、からかうA君。

私達にも煽る様に命令する。

とうとう我慢できずに泣き出す女生徒。

周りにいた女子達は私達男子生徒に向って怒りをぶつけてくる。

この様な出来事は日常的に行われていた。

ある日、A君が命令してきた事に対して私が反論してしまった。

そうなると当然の如く私に対して無視しろと男子生徒に命令が下る。

その日からクラスメイトである男子生徒から無視をされる事になった。

因果応報という事だ。

悪い事をすれば必ず自分に返ってくるという訳だ。

クラスの男子生徒から無視をされるというのは辛い。

学校に行っても話し相手も居ない。

休み時間サッカーに参加できない。

楽しいはずの給食も、おかずの量を故意に減らされる。

物を隠される。

下校時に皆と一緒に話しながら帰れない。

そんな時、一人で歩いて帰っていたら隣のクラスのB君が話しかけてきた。

「ペンギン侍ってAから無視されてるんだって?」と笑いながら話してきた。

私に話し掛けてきたB君は学年の番長みたいな存在。

体格も大きいし喧嘩も強いとの評判だ。

いつも周りには数人の友達と一緒につるんでいる。

そのB君が「Aの事殴ってやろうか?」と言ってきた!

そんな事したら大変な事になるからいいよと断ると、「じゃ俺たちと一緒に帰ろうぜ」と救いの手を差し伸べてくれた。

その日からB君たちと遊ぶようになった。

私がB君たちと遊んでいる事をA君が知ると、私に対する無視は無くなった。

B君の影響力だろうか?と考えた。

しかしこのB君との出会いが、悪への道に進んでいく事になるとは、この時は知る由も無かった。

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