中学1年生の時の苦い思い出
友達がフケで悩んでいた。
フケが肩に落ちていて皆から汚いと揶揄されていた。
その馬鹿にする態度が納得できずに馬鹿にする奴に注意していた。
ある日、女子の一人がまた指さしていた。
私は、またフケの事で馬鹿にしているんだなと思いこみ「いい加減にしろよ!〇〇は病気なんだよ、風呂入って無い訳じゃねーんだよ!」と、女子に向って怒鳴ってしまった。
その女子は友達の背中に「汚い!髪洗えよ!」と馬鹿にした事を書いてあった張り紙を本人に教えようとしていたらしい。
完全なる私の早とちり。
恥ずかしくなり間違えた事を素直に謝れず、そのまま逃げる様にその場を立ち去りました。
学校にいる間に謝ろうと思っていても、中々素直になれない。
時間だけが経過する。
そして授業も終わり下校。
下校途中、謝ろうと追いかけるが彼女は居ない。
モヤモヤした気持ちのまま帰宅する。
家に帰っても落ち着かない。
どうしても謝りたい気持ちが沸き立つ。
みんなの前で怒鳴った事で傷ついているだろう。
どうしても謝らなくてはいけないと思い、彼女の家へ向かう事にした。
この写真に写っているマンションに住んでいる事は知っていた。
でも玄関のインターホンを押す勇気がないヘタレ野郎だった。
頭の中でインターホンを押せない言い訳ばかりを考える。
言い訳ばかり。
典型的なクソ野郎の思考回路。
そんなクソ野郎の考える事は、やはりクソだった。
外で偶然出会う作戦を思いつく。
このマンションの前で彼女が出てくるのをひたすら待つ作戦。
彼女が出てきて偶然を装う。
そして今日の事を謝罪する。
会ったらこう言おうと決めていた。
「おお!」と手を上げて挨拶をする。
「偶然だね」「どこかに買い物に行くの?」と他愛もない話をする。
「今日の事だけど」と本題に切り込む。
「怒鳴ったのは俺の勘違いだった」と素直に謝る。
「ごめんね」と頭を下げる。
この一連の言葉を頭の中で何度も繰り返し練習をする。
しかし待てど暮らせど彼女は出てこない。
もう周りは暗い。
やはり会えない。
帰ろう。
よし!明日学校で謝ろうと帰宅。
モヤモヤした気持ちのまま一夜を過ごす。
次の日、教室に入ると彼女がいる。
しかし友達達と話していて彼女に話しかけられない。
休み時間、給食の時間、掃除の時間、下校の時間。
謝るタイミングが見つけられない。
そして1日が終わる。
今日も謝れなかった。
もう完全に謝るタイミングを逸してしまった。
その彼女は1年の途中で転校してしまった。
実は彼女の事が好きだった。
なので余計に謝れなかった事を未だに後悔している。
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