犬2頭と一緒に暮らす

我が家のミニチュアシュナウザーとゴールデンレトリバーの他愛もない雑記ブログ

貧乏生活物語 3話

何気ない友達の一言が私の心に突き刺さり傷つく

学校の授業が終わり放課後、近所の公園で友達同士で野球をしたりサッカーをするのが唯一の楽しみだった。夏休みも朝から友達同士でめいっぱい遊んでいた。友達と遊んでいる時は嫌な事も忘れていられる。全力で走り回る為、喉がカラカラになる。公園近くの駄菓子屋さんに売っているミリンダを買うのがいつもの流れになっていた。友達の一人が休憩しようぜ!との掛け声で、みんなで駄菓子屋さんへ向かう。ミリンダや駄菓子を買うお金を親からもらっているみたいで、ミリンダや駄菓子を買い飲んだり食べたりしている。その横で羨ましそうに眺める私。友達の一人が、ペンギン侍は飲まないの?と何気なく聞いてきた。当然、私もみんなと同じように喉がカラカラ状態で口の中がパサパサしていた。飲みたくても私にはお金が無い。家にはお金が無いからミリンダを買うお金をもらえない。子供ながらにお金が無い事を言えず「俺全然のどか渇いてないんだよ!(笑)」と笑いながら誤魔化す。夏休み中同じ事の繰り返し。この休憩時間だけが本当に嫌だった。汗だくで喉がカラカラで、みんなが美味しそうに飲んでいるミリンダというジュースが飲みたくて飲みたくて仕方がなかった。みんなが駄菓子屋でミリンダを飲んでいる時、早めに戻り公園に設置されている水道水の蛇口をひねり、お腹が膨れるぐらい飲んで喉の渇き、悔しさを誤魔化した。この時、悔しいと言うか切ないと言うか、やりきれない気持ちだった。それ以来、誰かと居る時、自分一人で何かを食べたり飲んだりする事が今でも出来なくなった。

親にとって子供ってなに?

母は依然として仕事をしていない。収入はゼロ。唯一入ってくる収入の児童扶養手当のみ。当然、それだけでは生活していけない。どうにもならない時は叔父にすがる。その叔父もお店を維持する事に必死で余裕など全くない。今までなんとかやり繰りしてきたが、収入が無くなり今の2Kの家賃代を払い続ける事が難しくなり未払いも発生していた。このままでは追い出されてしまう。今よりも安いアパートへの引っ越しを余儀なくされました。学区を変える事無く近所に今よりも安い家賃の1K風呂無しアパートが空いていると母から知らされる。しかし、敷金や礼金などの引っ越し費用がない。今の溜まった家賃を払うお金も無い。そこで母親から提案を持ちかけられる。

私の人生の中で一番辛い思い出

私が父親に電話してお金を工面してもらえと言われた。そうしないと家を追い出され路頭に迷うと言われ、渋々父の住む家庭に電話をした。当時は携帯電話もなく固定電話のみだったので、電話に誰が出るか分からない状況だった。

ドキドキしながら電話を掛けた。ガチャと繋がった。〇〇ですけど、と電話に出たのは父の奥さんだった。私の名前を告げる。〇〇です。そうすると、なんの用で電話をしてきたの?と少し声を震わせながら怒り気味に言われた。怒り気味言われた事に私は驚いた。勇気を出し、お父さん居ますか?と、ただそれだけ言うと、凄い剣幕で怒りだした。子供に向ける言葉の度合いを超えていた。一方的に言われ、聞いていた私は、かなりへこんだ。涙が次々と流れ落ちていった。相手の奥さんも涙声に変わってきた。「なんで電話してきたの?私には関係ない・・・関係ないよ」そう涙混じりに言われた事だけ覚えている。私も涙がどんどん流れ止まらない。俺、なんか悪い事でもしたの?と心の中で自問自答を繰り返す。電話しているにも関わらず、途中から相手の話す内容が入ってこない。どの様な話で電話を切ったのかすら覚えていない。今思い出しても辛い記憶。

後で母から聞いた話だが、父の奥さんは、母が身ごもっている時に、父から打ち明けられたらしい。なので私の存在は知っていた。打ち明けられた奥さんの気持ちを考えると計り知れないものがある。奥さんからしてみれば、私の存在自体が嫌だったんだろうなと思える。相手の奥さんもある意味被害者だと大人になって思える様になった。向こうの家族には子供が二人いるらしい。今まで一度も会った事が無い。私の存在を向こうの子供達は知っているのだろうか?私は、まだ見ぬ異母兄弟に少し会いたい気持ちがある。

後日、母と父との話し合いで、私が成人するまでは父が家賃を払う事で話は纏まった。ただ条件として二度と自宅には連絡してこない事を約束されたらしい。これで未払いで家を追い出される事は無くなったが、父との縁も切れたのかと悲しくなった。微かにあった父との繋がりが無くなったと感じ、寂しい気持ちがこみ上げてきた。これで父とは会う事はおろか、連絡する事すら出来ないんだと思った。

f:id:ysnyn658:20201213213626j:plain

父と母と自分の写真。3人で写っている写真はこれしかない。

七五三詣で大宮の氷川神社へ行った時の写真。

 

次で最終話となります。その最終話では、私の人生が、どん底まで辿り着いた時期を書いてあります。良かったら最後までお付き合いください。

4話につづく